未来の乗り物にも見えるが、進むのは実にゆっくり(写真・記事 寺沢孝毅)
コモンウミウシ
軟体動物門腹足網直腹足亜網異鰓上目(貝殻が退化したりなくなったりした巻貝の仲間)
鮮やか〝未来の乗り物〟
丸みがある、そこそこ大きな石に、カラフルな生物が付着しているのを発見した。深さがほんの数メートルの、太陽光がよく届く海底だった。
パソコンのマウスに似た形で、アンテナのようなものが前方に2本、後方には花房のようなものがひとつ付いていた。薄い黄色をベースにした色彩に、青色の模様が入り、否が応でも目を引いた。ほんのちょっとした刺激でも、その生物は敏感に察知して、後方の花房を引っ込めた。
いつの日だったか、それは漫画などで見たような、未来の乗り物にもどこか似ている。これは珍しい生物ではないかと思い、記録写真を撮ることにする。
その正体はすぐに判明した。その名はコモンウミウシ。つまり、普通にいるウミウシなのだと理解した。ところが、このたびよく調べてみると「小紋」であった。
ウミウシの仲間は形態や色が様々で、美しいものが多い。ウミウシの名前は、2本の触角を牛の角に見立てたことによるという。後方の花房のようなものの中心には肛門がある。日本全国の海岸で見られるが、道北では少ないようだ。ウミウシはまずく、食べる地方はないらしい。昭和天皇は多くのウミウシを採取されていたことで有名。

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