シマゾイ of 海鮮オロロンや

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海中ではすべて青っぽく見えるが、ストロボ光で撮った写真は黄色が印象的(写真・記事 寺沢孝毅)


シマゾイ

カサゴ目フサカサゴ科

〝宇宙船〟ゆっくり着陸

 一定の水深を超すと、海草はほとんど目につかなくなった。海底の起伏は少なく、見通しがいい。とはいっても、暗いブルーの奥は何も見えない。海水の透明度には限界があるからだ。
 水深15メートルあたりだったと思う。気づかないほどゆるやかな斜面を、ゆっくり下っているときだった。ぼんやりとした黒い影が、近づくにつれはっきりしてくる。いい型のシマゾイだ。逃げないように、海底にへばりつきながら本当にゆっくりと近づいた。
 シマゾイはほとんど動こうとしない。ヒレをゆったり揺らしながら、宙の一点に浮かんだままだ。さらに近づき、シマゾイを見上げた。その距離約1メートル。大きくて目立つ口、そして目だけが動いている。
 そのうち底まで沈んできて、面と向かった。無重力の青い宇宙で、まるで宇宙船が天体に着陸したようだった。


 岩手県以北から北海道、朝鮮半島に分布。35センチぐらいに成長し、浅い岩場に棲む。体色の黄色味や黒ずんだ部分には個体差がある。頭の部分にトゲがあり、触るときには気をつけなければ痛い目に遭う。刺身、煮付け、焼き魚としてよく食される。